「もしかして発達グレー研究所」 凸凹ハートの幸せを考えるブログ by QOLT

なじめない、生きにくい。そんな子達の青い鳥ドコー?志村!後ろ後ろ!

読書感想文が書けない!最終章~書くのは感想ではない、自分の劇的ビフォアアフターだ!

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発達障害、ASD、ADHD、診断を受けるほどではないけれど傾向ありの子達は、百ゼロ思考、完璧オアナッシングにとらわれやすいようです。
感想文ともなりますと、一文字も書けないという子、ザラです。
そんな親子の助けになれば…!

かつてひっそりと行っていた読書感想文指導のネタバレを含んでしまっています。
ちなみに、当方の読書感想文指導は、かなり受賞率が高かったです。
いわゆる「夏休みの読書感想文」青少年読書感想文全国コンクールはハードルが高く、
全国審査は1回だけですが、
ありがたいことに
私の手法で感想を引き出したり添削したりさせていただいた方の感想文が
区の審査、地区審査(都審査)レベルを受賞するという経験に恵まれてきました。

愛すべき発達くんと発達ちゃんと悩める親御さんのために晒してしまいます。
タイムマシンで過去に戻って「過去の自分と我が子」を助けるかのような気持ちです。
自他の境界があいまいだからなのでしょうな
人助けだと思えることが好きすぎ。

文系好みが有利

文系と理系では、求められる文の構成も、内容も違います。

大都市圏の小学校教諭は圧倒的に文系脳のひとが多いです(たとえ理数系が得意と標榜していても、それは文系学部における「理数が得意」に過ぎません)。
教育学部、教職課程、教員採用試験、求められる資質に理数系の要素はほぼありません。
大都市には、理系の仕事が他にありますので、理系の人はわざわざ小学校教諭になろうとは、なかなか思わないようです。

また、クラス代表、学年代表、学校代表を選ぶときは、青少年読書感想文コンクールでいい線を狙える感想文をセレクトするのが定石です。
学校賞というのがあってだな、テレビとかもらえたりするし、指導教員はハクがつくみたいよ!詳しくはまたの機会に譲るとしますが。
ここの審査員がまたド文系なの。

要するに、
読書感想文は、ド文系のド文系によるド文系セレクトの「賞」なわけですよ。

いい文だと思うものがそもそも違う件

さて、
アスペルガー傾向ありの人の中には、生まれつき、理数系方向に伸びやすい脳を持った人が一定数います。

理数系方向に伸びやすい脳の持ち主の好きな文の構成は、最初に結論があり、あとは事実を示していく
というものであることが多いのですが、小学校の先生のお話や、小学校で触れさせる文の多くは、文系向けの表現が多用されています。
ざっくり申し上げますと、「いい文=起承転結のある文」と押し付けてくるのです。

理数系の脳の持ち主は、「いい文=起承転結のある文」という学校教諭のスタンダードに対して、違和感を持っている可能性が高いということです。

自分としてはちっともいいと思えないものを、誉めちぎっている先生のことを、発達凸凹のある子は、信頼し、自分を寄せていこうとすることができるでしょうか。

たぶん無理です。

既に家庭ベースの価値観を携えていて、「ああ、価値観はみんな違うんだよな」と思えるように育っていれば教育成功です、万歳です、
ですが、思考の介入をあまりされていない小さなアスペさんたちのほとんどは、自力ではなかなかそこまでたどり着けません。
「学校おかしい、先生おかしい、狂ってる???」と混乱していることが多いでしょう。

本の内容に沿った感想だと没になる件

特に、読書感想文は、その名前とは裏腹に、「本に沿った感想」では、評価されにくい傾向があります。
ただでさえ、「良いと思うものが違う」のに、読書感想文のお手本として示されるものは、アスペに言わせれば読書感想ではなく自分語りであることがほとんどです。

何を拠り所にしてよいのか、わからないのですから、一文字も書けないのは当たり前です。しかし、下手なりに書けて当たり前と思っている文系担任にどやされて、誰にも相談できずに心をすり減らしているというケースが後を絶ちません。

読書感想文は読書感想文ではなく自分語り

これです。
当研究所では読書感想文は、本の紹介ではない!!と教えています。
「自分語りをベースにする」、ということを徹底的に強調します。


自分語りをするのに、本は結構邪魔です。

ですから最初は、本を選びません。
最初に、テーマの種を蒔きます。
※種から育てている時間がない?
それならば、経験からテーマを引っ張ってきましょう。

テーマの種を蒔く

日頃親御さんが、ご家庭でのおしゃべりの中に種を見つけ、仕掛けておくと、夏に楽ができます。

友達とケンカして、仲直りした
…家族の悪口を言ったけどやっぱり好きだ…くじけそうになったけど踏ん張った…病気をしたけど治った…嫌いだと思っていたものが好きになった…挫折したけど、それがあるから今がある…

このような、難局から、プラスに転じたというエピソードが、意識しておくと日々たくさんみつかるはずです。

これらは、自分語り文のベースとして使えます。

意識しないと、日常的すぎてすぐに流れていってしまいます。
せっかくの大切な経験も、過去のしっちゃかめっちゃかな記憶の隅に押しやられてしまうのが、
「この子たち」。
そこで、親の知恵を使い、なんらかの形で、記憶に刷り込んでおくのです。

夏休みの終わりにご覧になると「今からかーーーーー」と思われるかもしれませんが、後からでもじゅうぶん間に合います。
ニュース、いじり芸人の出てくるテレビや感動の映画、ゴミが散らかる海や山。でなんらかの「気にならなくもないテーマ」に触れていらっしゃるのではないかと思うのです。

サザエさんで、かおりちゃんを喜ばせたくて美味しいスイカを探し回ったカツオが
「あーあ大事な夏休み1日むだにしちゃったよ」
と言ったとき、1日を共にした中島くんが
「僕は無駄になんかしてないよ、いそのと一緒に走り回って汗かいて最高の思い出だよ」
と言いました。
「それもそうだね!あはは!」
「あはは!」
これも、なにかによって考え方が良くなった、という例となります。

普遍的なテーマ

次に、テーマ選びです。
お急ぎの方は種をまいて育てる時間がありませんから、ここから始めましょう。
お子さん自身の経験から、書きやすいテーマを親子で探します。

家族、友達、命、健康、お年寄り、障害、科学技術、自然破壊、絆、向上心、続けることの大切さ、優しさ、思いやり、いじめ、心の弱さ、等々、本人の興味とご家庭の価値観をベースに、テーマを提示し、選べるようにします。


※あまのじゃくになりやすい文系アスペ脳の場合は気を付けてください。ここでは、純粋過ぎる理系アスペ脳に文を書かせる手法を述べています。

※刷り込む、ということをよしとしない親御さんもいらっしゃるでしょう。ただ、試行錯誤が下手なところがある子任せにしておくと、誤学習しやすいです。
誤学習により性格がひがみっぽくなることを防ぐためには、責任ある立場の者(親や、祖父母など親に代わる存在)が、責任もって意図して、世の中の酸いも甘いも教えた上で前向きな思考のベースを作ってあげることが有効なことがあります。
向き不向きはありますが、精神年齢が低学年な高機能には有効です。


テーマの種まき、テーマ探しから始めることで、本文の引用、作品の説明を最小限にしやすくなります。

本は超適当に探す

書けるテーマにつなげやすい本を探します。たくさんの本を読めればその中から探せばよいのは確かです。
本の選び方は偏りがちですので、おそらく読書感想文に行き詰まる子は図鑑やら説明文ばかりで、一見、とても書きにくいように思われるでしょうが、「生物図鑑が大好きだ。生物の多様性に気付かされ、環境を守らなくてはいけないと思えるからだ。図鑑を読む前は、人間が一番偉いと思っていたし、環境は人間にとってよければそれでよいと思っていた。自分ができることはなんだろうと考えて、今、こういうことを気を付けて生活している。」こんな読書感想文も素晴らしいと思います。

×だった自分の思考は、○な自分の意識に変わった、だからこれからの自分はどうしていこうと思う、ということを書いてほしいのであり、そのきっかけがこの本です、とこじつければ一丁上がりです。


テーマの合う本は、図書館の司書さんや、レビューなどから見つけることもできます。

審査する側は「なんらかの本のお陰で成長できた」というエピソードがほしいのであって、本のあらすじは不要です、マス埋めにしか見えていませんので読み飛ばします。

面白い本を選んではいけない

子どもにとって読んでいて面白い本を選んでしまいますと、ストーリーや登場人物などの面白さに目が行ってしまい、本の紹介文に自分の「すごいと思った」的な感想を添えただけのものになりがちです。それはなぜでしょうか。恐らく、その子は、いわゆる良い感想文(他人による他人の成長どや語り文)を良いと思わず、面白い本の紹介文を読みたいからです。

意識の変化の過程にこの本があったのですよというストーリー

読書感想文における感想とは、自分の意識変化の過程を語ることです。
面白い本ではなく、自分語りの引き合いに出しやすい本が、読書感想文(=自分の本をきっかけとした成長物語文)は書きやすいのです。

書きやすいテーマ、本を選ばないと、いつまでたっても終わりません。
お子さんの経験と本とで、細かいエピソードが一致する必要はなく、むしろ「書こうとしているテーマが織り込まれている」ぐらいのほうが、あらすじに終始せずに済むのでおすすめです。

本を変える

どれぐらい本気で書くかに依りますが、この本では書きたいテーマが絡められないならば、本を変えてもいいでしょう。でも、本選びに時間をかけるよりも、テーマの種まきなどを通して、流れて行ってしまいがちな日常の意識への働きかけに時間をかけた方が、長い目で見るといいと思います。


正直なところ、読書感想文は、読書に絡めることを求められていますが、教育として本当に大切なのは、読書と絡めること自体よりも、なにかをきっかけとして、自己向上したという経験/改善しなくてはという気持ちに目を向ける習慣付け
だと私は思います。

変わったきっかけとして書かせる存在を本に限定しているように見えるのは、出版関連の団体が取り仕切るコンクールの存在のなせる技であり、別に…それ以上でもそれ以下でもありません。

日常にあふれるテーマで口頭練習

この感想文手法は、お子さんの心の構成要素のバランスを整えることにフォーカスしているため、本選びよりもテーマ選びと結論付けが大切です。そのためには、春から、種を蒔いて、育てて、お子さんにわかるように示しておきましょう。

難しく考える必要はありません、サザエさんでもドラえもんでもクレヨンしんちゃんでもドラマでも、さりげなくテーマを盛り込んでありますから、大人の知恵を使ってその種明かしをすればいいのです。そうするとそのうち、パターンがわかり、例えば、「このお話のテーマは、科学技術・医療の進歩のすばらしさと弊害、あとは高齢化問題かな」「価値観の違いによるトラブルだな」と想定できるようになります。

想定がうまくなると、「ああ、正義正論を通すだけでは人は動かせない、って話が書けるな」「老々介護か…親の愛を受けすぎた子の真面目さゆえの不幸だな」といった感じで、複雑な事情も高い精度でくみ取れるようになり、そうなると、面白い、知りたい、と思うものが、物一辺倒から、人の心へと、変わるきっかけにもなります。


書けない子は、まず選択肢を提示し、考えを選ばせていきます。
「このシーンとこのシーンどっちが気になる度が高い?」「じゃあ、このシーンとこのシーンではどう?」
「面白いと思った?悲しかった?わくわくした?」というようにです。

もちろん、思考を誘導する危険性には十分気を付けて行います。そこで「違うでしょ!!!」と言ったら言葉表現に不安を抱え込むことになりかねないので、出来映えが「え?」というかんじでも、肯定することです。

書字に困難があるならば、書くことは、肯定に肯定を重ねた、その先の課題です。

低学年は、まず読書感想文ありき、ではなく、思考できるテーマを増やすという感覚で接していってください。
平易な絵本やアニメ、イラストやメモ、録音などを利用して、対話しながら、思考を形成していく手伝いをしてあげてください。


繰り返しますが、合わない子もいます。そもそも、誰にでも通じる育て方があれば、誰も困りはしませんね。
こんな考え方もあるよというご紹介です。


書けて当たり前という感覚は毒です
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